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09 September

カフカの話をしよう

ずっと感想したかったフランツ・カフカの短編集~~
こちらの本を読みました。光文社古典新訳文庫は字が読みやすいし訳も解りやすいのが多いので好きです。


変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1)
変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1)
カフカ 丘沢 静也

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合計4つの物語が集約された本ですが、やはり主役は『変身』ですね。一番分量が多く、インパクトがあって読んだ後の絶望感半端なかったです。笑
あらすじについてはニコ動で簡潔に纏められた番組?をまとめたものがありました。



この動画もかなりカオスでホラーなんですけど、
割とこんなものではない
正直こんなものではない絶望感が原作にはあります。是非読んでみてほしい。

何というかこう、文体が淡々としているというか…飾った言葉も綺麗な言葉もない。ただし酷々と写実するので、真っ黒な現実とかグロテスクなシーンの描写が明白すぎてものすごくコワイ。ホラーは夏にピッタリダネ!
訳者あとがきとか見てると「実際」が一文に2回出てきたりとかしてるみたいで、何だか言い回しや表現がとてもわたし好みでございました。すき。

作者フランツ・カフカの略歴をみてみると、一見良いとこに就職してるエリートなイメージを抱いたのですが、よくよく調べてみるとそんなことはなかった。どうやらフランツさんは家族関係が割とひどいというか、厳しすぎる父親と放任気味で力を持たない母親の影響?で神経過敏と強迫観念に苦しめられていつも自死を考えてるような精神不安定人だったみたいですね。そうじゃなきゃあんな作品かけるわけがないよ!妙に納得だよ!辛い!更には結核も患っていたようで、もう最期まで苦しんでいたような方らしいです…もうこれを聞くだけでこっちが病むレベル…

カフカ自身が、小説は自分の思考や苦悩を昇華しようとしたものだ、みたいなこと語っているようなので、作品と作者を照らし合わせてもそこまでこじつけではないなあと思う節が多々々々ございました…。特に父の強すぎる威厳とか、主人公の萎縮さとか。主人公はみんな表向き良いヤツだけど深層心理では…でも人間の深層なんてそんなもんだよ…みたいなどす黒さみたいなものが垣間見えるような…
少なくとも私が読んだこの本の作品はそんな作品でした。是非読んでみてほしいです。ワタシと同じ絶望ヲ味わウガイイ…

詳しい感想は続きから~~。


『判決』はこの本の順序で最初の作品なので、私の初めてのカフカ作品になりました。驚きました。なぜか主人公死ぬんだもん。びっくりだよ突然の死だよ。
主人公ゲオルクは結婚を目の前にした幸せな人間で仕事も上場悪いことなんてひとつもないぜー!さあ母親も亡くなったし父親も老いぼれだから愛情をもって介護しようじゃないかってところで、父親に全ての自分の黒いところをさらけ出され、お前は川に落ちて死ぬ!と判決を下されてゲオルクは一直線に走り橋から落ちて死ぬという、なんかよく分からないあらすじだと思うが私も何が起こったかry
ほんとなんというか、次の『変身』でもそうなんだけど、あくまでも主人公が親に愛情を持っているのがつらい・・本当に愛情を持っているのか分からないですけど、ゲオルクの場合。そもそも親への愛情って自分でもそれが本当か虚偽か分からないじゃないですか。自分の後ろめたい部分は隠そうとするじゃないですか。それに気付かないじゃないですか人間って。そういうものをすごく明白に表現しているのがすごい。。それを突きつけられるときの絶望感たるや多分想像を遥かに超えるものなんだろうな…
そして川に飛び込むシーンは、実際カフカが割としょっちゅう?想像していたシーンらしくて(もう部屋から飛び出してそのまま川に飛び込んで死にたいみたいなこと言ってたらしい)、ゲオルク=カフカなのかなっていうことを考えると、父親の異常な威厳の表現が心に痛いというか・・
父親=ゴッドという点で見ても、やっぱり父親に逆らえない委縮した子供の図が痛切に感じるし、神様に下された判決は抗いようがないという連想もするし、それをいうと「最後の審判」を思い出したりするよね…川を下る先は地獄らしい。
色々と考えさせられる。ていうか主人公の突然の死が衝撃的すぎた。

それに続く『変身』、ね、とんでもない作品だった。前述したけど正直色々とありえなさ過ぎて衝撃が走った・・。「虫になる物語」って結構色んな方が題材として使用していて有名らしいんだけど、これがその先駆けらしい。
だってもう一行目から虫になってるんだもん。びっくりだよね。びっくりだよね?!?!?
しかも虫になったグレーゴル氏、虫になったことにびっくりするも「早く出社しなきゃ」「早く準備しなきゃ」って頭しかなくて、なんかもう社畜の先駆けすぎる。
さらにうまく言葉が喋れなくて、結果的に虫になったことが家族にも会社の人にもばれて超化け物扱いされて殴られたり失神されたりなんかもうヒドイ。妹も最終的に世話焼かなくなったしもうグレーゴルに味方無しみたいな。ひどい。
それでもグレーゴルは、家族のために一生懸命働いてたし働きたかった、余裕が出来れば妹にも音楽の大学へ行かせてやりたいって、すごく愛情を持っているのがもうほんと・・やめてさしあげろ・・
でもその家族のために働いてたのも、グレーゴルがそうやって自分を保ちたかったから強情を張っていて、家族のために働かなくても本当は良くて、妹への愛情も最終的には拒絶されるし、
なんかもう、
なんでグレーゴル虫になんかなっちゃったんです…?
なんでグレーゴルは生を与えられたんです…?(絶望)

でもさあ考えてもみよう、グレーゴルは見た目が醜くて社会的価値もなくなっちゃったから、化け物になったことを口実に家族はグレーゴルを見放すことが出来たし、グレーゴルが死んでハッピーみたいな雰囲気を前面に出すことが出来たわけだ。
これが虫でなかったら?そう例えば、見た目は人間でも、社会的価値がなくなってしまった人間って、そして見た目も穢かったり醜かったりでこいつ働きもしねえし金食い虫サイテーって思われてたら、その人間ってグレーゴルと一緒なんとちゃいますか…
実際カフカもいつも体調が良くなくて、退院して実家に帰っても部屋に引きこもりがちだったりしてたから、なんか、こういう自分自身を、グレーゴルという形で昇華しようとしたんじゃないかって思っちゃうのよ・・グレーゴルって本当に虫じゃなくて人間だったんじゃないかなって思うんだ…。
しかも人間が虫同然になった途端、周りの人間はその人を助けようともしなくなる。同情も状況と共に掻き消える。「こんなのお兄ちゃんじゃないよ、お兄ちゃんだとしたらこんなことしないわ」って妹の痛切な悲鳴が全てを表してるよね・・
なんかこう、ほんと、カフカって、こういう人間の本質を、違った視点から描くの得意よね・・つらいね・・つらい・・・(でも好き)・・・つらい・・・・
それともこの解釈は私の考えすぎなんだろうか…

あと2作品が続くんですけど、前述2作品がインパクトありすぎて、内容忘れたっていう笑
アカデミーで報告、はなんかすごく不思議なお話だなーって感じでした。猿が主人公って時点でビックリなのに、猿が人間になるまでの過程がさらに不思議。猿を描写することで人間がリアルに描かれてるなあという印象でした。掟の前で、はかなり抽象的で実はよく分からなかった…w カフカ作品を考察するにあたってかなり重要な作品らしいのですが…また他の作品読んでから再度読んでみたら、分かるのかなー。

っていうカフカ作品集、すごく内容が濃密でメッセージ性やインパクトがぎゅっと詰まった作品でした!!すっごく面白かった。久々にこんな作品にのめり込んだよ~~。
カフカ(バンド)がフランツ・カフカの名前をつけたきっかけになった『審判』を買ってみたので、じっくり読んでみたいと思ってます。


ていうか、フランツ・カフカの名前を持っているカフカ(バンド)の曲が、割と爽やかなの多かったりだけど、暗い曲とか憂鬱な曲も多かったりして、なんとなくバンド名がカフカなのが納得という…笑
そしてカフカの中の人、『1985』って曲作ったりしてたあたり、文学に精通してるのかなーと思ったりする…なんか…そういうところも好きだよ…(^-^)/
アルバム『moment』を先日購入したので、届くのが楽しみです♡